VOL.135 文庫本で読む格闘技 PART6


 以前にも紹介した格闘技関連文庫本特集の第6弾です。2006年に刊行されたものを集めました。是非、読んで見て下さい。
「新日、K−1、PRIDEタブー大全」 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編著
(宝島社文庫) 2006年11月25日初版発行 619円+税

 イノキボンバイエを巡るトラブル、新日の身売り問題、K−1石井館長の脱税事件、PRIDEと闇社会の関係など、表題と降りの内容。2006年4月に「別冊宝島」で出版されたものの文庫化です。
 流行の暴露本の類いです。何処まで真実なのかも分からないし、そこまで掘り下げる必要もない事柄ですが、噂はなしとして読めば、それなりに面白いです。
 宝島ムックシリーズで、2005年9月に「別冊宝島」で出版されたものの文庫化です。


「格闘技絶対王者列伝」 布施剛治著
(宝島社文庫) 2006年8月24日初版発行 648円+税

 著者はスポーツライターで、多数の雑誌や、各団体のパンフなどに執筆しています。
 ヒョードル、ノゲイラ、ミルコ、シウバ、吉田らPRIDEのトップファイター、桜庭、菊田、佐山、船木、安生などの日本人格闘家についてインタビューや取材をもとに描いています。
 アブダビコンバット、ロシアントップチームなどのドキュメンタリーもあります。


「プロレス「リングとカネ」裏事件史」 別冊宝島編集部編
(宝島社文庫) 2006年8月24日初版発行 600円+税

 プロレス界のカネにまつわる事件を集めたもの。橋本の借金と冬木薫さんの話し、草間元社長が語る新日の経営状態、猪木ボンバイエの訴訟問題などなど。
 過去30年のプロレス界とスポーツ界の長者番付も興味深い。1983年には猪木がスポーツ界で1位になっており、現在のプロレス界1位は小川直也です。
 宝島ムックシリーズで、2005年9月に「別冊宝島」で出版されたものの文庫化です。


「マッチメイク」 不知火京介著
(講談社文庫) 2006年8月11日初版発行 695円+税

 新大阪プロレスの総帥で国会議員でもあるレスラーが試合中にヘビの毒により謎の死亡するという事件があり、新人レスラーがその謎を解くために調査をしていると、次々と新たな事件が起きる・・・。
 第49回で江戸川乱歩賞を受賞した、プロレス界を舞台にした推理小説です。マッチメイクというタイトルから分かるようにケーフェイ、ミックスジュースといったプロレスの隠語も登場し、らしきレスラーも登場します。お話としても面白いです。


「泣き虫」 金子達仁著
(幻冬舎文庫) 2006年8月5日初版発行 571円+税

 サッカー関連では有名なスポーツライターである著者が高田延彦の半生を描いた話題作。2003年11月に発行されたものの文庫化です。
 猪木に憧れた少年時代から新日本プロレス入門、UWFからUインター、そしてPRIDE、引退までが素直に描かれています。あの時はこうだったのかとは思えますが、やはりヒクソンに負けたことは許せません。


「日本プロレス帝国崩壊 ー 世界一日本が米国に負けた真相」 タダシ☆タナカ著
(講談社+α文庫) 2006年6月20日初版発行 724円+税

 アメリカのプロレスはショーであることをカミングアウトしたことで成功し、日本を追い抜いた。だから日本もアメリカのようにカミングアウトすべきであるという内容です。
 一連の暴露本の流れをくむもので特に目新しいことはないですし、特に共感できるものでもありません。


「格闘技 最強リングの裏事情」 別冊宝島編集部編
(宝島社文庫) 2006年3月29日初版発行 648円+税

 前田、上井、新間の対談、DEEPの佐伯代表のインタビュー、前田対カレリン、ヒクソン対船木、高田対北尾、中井対ゴルドー、田村対パトリック・スミスなどガチファイトと言われる試合の舞台裏、佐山、ギルバートアイブルらのケンカ伝説など、表題と降り、格闘技の裏事情を描いています。
 宝島ムックシリーズで、2005年5月に「別冊宝島」で出版されたものの文庫化です。