VOL.207 文庫本で読む格闘技 PART10


 格闘技関連文庫本特集の第10弾です。2012年に刊行されたものを集めました。是非、読んで見て下さい。

 後楽園ホール近くの山下書店なら、すべての本が揃っています


文庫ではありませんが、特別編・・・
「血心 私はプロレスラーになれるのか!?」 愛川ゆず季
(三交社)2010年10月18日初版発行 1300円+税

 プロレスデビュー前に出版されたもので、最近まで出ていたことを知りませんでしたが、山下書店に置いてあったのを発見して、そのうち読んでみようと思っているうちに引退発表があり、もう絶対読まなければということで、年末に買い、元旦に読みました。
 故郷愛媛での幼少時代、状況して専門学校に通っていた頃のこと、グラビアアイドル時代、プロレスデビューが決まり、デビュー戦に向けて練習に励む日々のことが書かれています。
 グラビアでの活動は知りませんでしたし、デビュー当初は疑問の目で見ていたので、その頃のことが分かって良かったです。


「プロレス 黒い霧」 別冊宝島編集部編
(宝島SUGOI文庫) 2012年12月20日初版発行 648円+税

 お馴染みの宝島ムックの文庫化です。2012年1月発行の文庫化です。相変わらずスキャンダラスにあおり立てる内容で、真偽の程は分かりませんが、ノアで退団騒動があった中で、詐欺事件や運転手の急死事件などノアのスキャンダラスな話題はタイムリーでした。
 MASADA謝罪会見、前田日明と出版社のトラブルなどの話題も収録。


「元・新日本プロレス」 金沢克彦著
(宝島SUGOI文庫) 2012年6月21日初版発行 648円+税

 GK金沢氏の本で、2010年10月に単行本で刊行されたときもちょっと興味を引かれていたので、加筆の上、文庫化されたのは嬉しかったです。読み応えがありました。
 新日本プロレスを対談した小原道由、片山明、大矢剛功、栗栖正伸、越中詩郎、大谷晋二郎の人生を描くドキュメンタリーです。


「プロレス 大貧民」 別冊宝島編集部編
(宝島SUGOI文庫) 2012年6月21日初版発行 648円+税

 お馴染みの宝島ムックの文庫化です。前回同様、ただひたすらスキャンダラスにあおり立てる感じに変わりはありません。2011年7月に発行のもので、前回から半年違いですが、話題はだいぶタイムリーになった感じがします。
 全日はTARUの暴行事件、ALL TOGHTERとIGFの興行戦争の裏側、K−1、SRCの経営危機など。


「子殺し」 金沢克彦著
(宝島SUGOI文庫) 2012年5月24日初版発行 648円+税

 GK金沢氏の本で、2009年7月に刊行された単行本の文庫化です。猪木と新日本プロレスの10年戦争の副題で、最前線で取材に当っていた著者なので読み応えがあります。
 大仁田の新日参戦、橋本対小川、永田、藤田、カシンの総合格闘技参戦、ヒクソン参戦の噂といった話題の舞台裏を描いています。


「プロレス 罪と罰」 別冊宝島編集部編
(宝島SUGOI文庫) 2012年5月24日初版発行 552円+税

 お馴染みの宝島ムックの文庫化です。相変わらずただひたすらスキャンダラスにあおり立てる感じに変わりはなく、2011年2月に発行のものなので、話題が古い気がします。
 ノアは杉浦が王者時代の内紛の模様、K−1のギャラ未払い問題、風間ルミのAV出演、サスケのマスク訴訟、猪木スキャンダル50年史など。


「自伝大木金太郎 ー伝説のパッチギ王」 大木金太郎著 太刀川正樹訳
(講談社+α文庫) 2011年2月20日初版発行 848円+税

 力道山に憧れて韓国から日本に密入国し、捕まって刑務所から力道山に手紙を書いて、プロレスラーになったというだけで凄いです。そして日本プロレス、力道山門下生としての壮絶な練習、必殺技の頭突きを習得するまでの血のにじむような努力、日本と韓国を渡り歩いた人生、今のレスラーとはスケールが違います。
 2006年4月から9月までに韓国の新聞で連載されたものです。亡くなったのが10月26日なのでまさに人生のすべてを綴ったというところでしょう。とても読み応えがありました。