VOL.294 文庫本で読む格闘技 PART13


 こんな時なので、2冊しかありませんが、格闘技関連文庫本特集の第13弾です。2019年以降に刊行されたものを集めました。たまたま2冊ともUWFですが、とても読み応えがあり、興味深いです。是非、読んで見て下さい。

 通常は後楽園ホール近くの山下書店、神保町の書泉グランデなら、すべての本が揃っていますが、現在はよく分かりません。ネットでも買えるはずです。バックナンバーでも紹介していますので、この機会に読むプロレスはいかがでしょうか。


「完全版 証言 UWF 1984ー1996」 前田日明+高田延彦+山崎一夫+船木誠勝+鈴木みのる他著
(宝島社SUGOI文庫) 2019年11月15日初版発行 1200円+税

 宝島社から出ている「証言」シリーズで。選手へのインタビューをもとに構成されています。3冊のUWF本をまとめて文庫化したもので、すごく読み応えがあります。
 冒頭には、伝説の10.9新日対Uインターの対抗戦で戦った高田と武藤の特別対談が収録されています。他も各選手と関係者の生の声をもとに、第一次UWFの立ち上げから、第2次での大ブーム、分裂の様子から、その後のことまで余すところなく描かれています。


「1984年のUWF」 柳澤健著
(集英社文庫) 2020 年3月10日初版発行 950円+税

スポーツライター柳澤健氏の「XX年の○○」シリーズは、他にも「1976年のアントニオ猪木」、「1964年のジャイアント馬場」、「1985年のクラッシュギャルズ」などがあり、どれもとても詳しく面白いです。
 それぞれの特別な1年について描かれるのですが、UWFの1984年は第一次UWFが旗揚げされた年で、重要な年ではありますが、その後の第2次UWF、Uインター、藤原組、リングス分裂して、パンクラスが出来て、総合格闘技が注目を浴び、グレイシー柔術が登場してといったことまで網羅されていて、とても読み応えがあり、面白いです。