VOL.60 文庫本で読む格闘技 PART2
大の格闘技ファンとして有名な著者が、古典の文献から古代日本の格闘技のエピソードについて語る。少し異色だが、一応、小説である。
小人プロレスを通じて、社会小人について考えるルポタージュ。単行本の敢行は1990年なので出てくる選手は一時代前の人たち。角掛はまだ若手であった。
弱小団体ルチャ・オソマキのエース覆面レスラー「愛と正義の戦士」オソマキ仮面が自分の高校時代の友人ではないかと追いかける中年公務員の主人公。いろいろな人々を巻き込んで、忘れかけた夢を取り戻す旅が始まる・・・というストーリーの小説。巻末にウルティモ・ドラゴンのインタビュー収録。
猪木の引退1ケ月後に発行された「猪木寛至自伝」の文庫化。猪木の生い立ちから引退までを網羅した自伝である。猪木信者としては当然のことながら単行本も呼んでいるが、やはり買わずにはいられない。巻末の「エピローグ」部分が加筆された。
別冊宝島のプロレス読本シリーズに掲載されたレスラーのインタビュー集を収録したもの。登場するレスラーも多彩で読み応え充分。
東海の殺人拳の異名を持ち、寛水流空手の会長である水谷征夫の生き様を描く伝記。寛水流と聞いてピンと来る人も多いはず。主人公の水谷があるレスラーに挑戦し、そのレスラーが受諾し、決闘することになった。結局、直前に和解し、友好の印として両者の名前を1字づつ取って命名された。水は水谷、寛は猪木寛至。新日本の後藤達俊はこの寛水流空手出身である。ひたすら強くなることを追求する生き方は素晴らしい。
かつてはヤマハ・ブラザースとして活躍し、新日本の審判部長、鬼軍曹としても知られる小鉄氏がプロレスについて熱く語る。97年著の改訂版でグレイシー、NOAHなどの話題にも触れられている。インディーやアメリカン・プロレスなどの批判もあり、かなり辛口。個人的には小鉄氏の意見に完全に共感できたので実に痛快な一冊だった。
あのアントニオ猪木が詩集を出版した。詩人であり友人でもある百瀬博教氏の誕生日に贈った「サンタモニカの朝に」がこの本のきっかけになった。橋本引退騒動で話題になった「恥かいて 裸になったら 本当の自分が見えてきた」というのが標題作の「馬鹿になれ」。その他猪木らしい詩と貴重な写真が満載。感動の一冊です。